祭神 ・須佐之男命(素盞嗚命)(すさのおのみこと)
例大祭 8月22日
ご利益 安産祈願、除災招福、他
参拝形式 二拝二拍一拝
境内神社 ・天王社:
須佐之男命(すさのおのみこと)
健御名方命(たけみなかたのみこと)
面足命(おもだるのみこと)
惶根命(かしこねのみこと)
・稲荷神社:
宇迦御魂命(うかのみたまのみこと)
・御嶽神社:
日本武命(やまとたけるのみこと)
櫛真知命(くしまちのみこと)
大己貴命(おおなむちのみこと)
少彦名命(すくなひこなのみこと)
住所 中野区沼袋1-31-4
TEL 03-3386-6212
公式HP http://hikawa-n.or.jp/
沼袋氷川神社_拝殿

沼袋氷川神社

中野区沼袋の氷川神社は通称「沼袋のおひかわさま」とも呼ばれ、旧下沼袋(現沼袋、野方一円)の鎮守社で、明治7年に村社となりました。

「新編武蔵風土寄稿」では鎮座の年代不詳ならず」となっていますが、社伝によると南北朝時代の正平年間(1346~1370)に村人らが素盞嗚命の武勇を慕って、武蔵大宮の氷川神社から勧請したとのこと。

 

 

沼袋氷川神社の神額

大正11年の社殿改築のときに発見された板碑には貞治元(1362)念の銘があり、
その頃に神社が創建されたと考えられています。

 


出典:東京都神社名鑑

東京都神社名鑑には下記のように書かれていました。

■由緒
当社は正平年間(一三四六-七〇)に武蔵国一の宮である大宮鎮座の氷川神社より
御分霊をいただいて、当地に奉祀したのにはじまると伝えられる。

文明九年(一四七七)太田道灌が、豊島一族と、江古田原・沼袋の地で合戦したさい、
戦勝を祈願して社頭に杉一本を献植、後年道灌杉と呼ばれていたが、昭和十九年枯損した。

正保年間(一六四四-四八)代官野村彦太夫が社殿を修築し、文久四年(一八六四)石鳥居が建てられ、
明治十三年(氏子数七十軒余)社殿を改築、大正十一年幣殿を増築、大正十五年皇紀二千六百年記念として
表参道に石大鳥居を建立、記念植樹がなされた。

■戦後の歩み
昭和三十年神楽殿を改築。
昭和十七年氏子総代任期満了記念として手水舎が奉納され、
昭和四十二年建国記念日制定記念事業として表参道に石大鳥居を建て、
昭和四十三年明治百年記念として、玉垣・社号標の奉納があり、
昭和五十年天皇陛下御即位五十年の記念事業として、社務所を改築して奉祝大祭を斎行した。

昭和五十七年境内末社天王社の社殿を改築する。


中野区立歴史民俗資料館の地域教材情報には下記のように書かれていました。

下沼袋村の鎮守で創建は正平年間(1346~1370)とも寛正年間(1460~1466)とも伝えられている。
太田道灌が豊島氏と戦ったとき、戦勝を祈念して杉を植えた。
道灌杉と呼ばれていたが、今は枯れ、根だけが残っている。

江古田・沼袋原の戦い(wiki)


中野区史には下記のように書かれていました。

出典:中野区史

祭神は素盞嗚命で野方、沼袋一円の鎮守社です。
社殿によると、正平年間(一三四六-一三六七年)に村民が素盞嗚命の武勇をたたえ、
武蔵大宮(いまの埼玉県大宮市)の氷川社から勧請したといわれています。
大正一一年(一九二二年)に社殿を改築したとき、貞治六年(一三六二年)在銘の板碑が出土し、
また昭和二年(一九二七年)の社務所改築に際して、境内より弥生式土器数個を発掘しました。


中野區史には下記のように書かれていました。

出典:中野區史下巻

祭神は素盞嗚尊。

野方、沼袋兩町一圓の鎮守社であって、新編武蔵風土寄稿百二十三には「鎭座ノ年代詳ナラス」と記してゐるが、
社傳では、正平年間(一に寛正元年ともいふ)村民が素盞嗚尊の御武勇を慕ひて武藏大宮の氷川社から
勸請したのであるといふ。

大正十一年に社殿改築に際して貞治元年在銘の板碑を出土し、昭和二年社務所新築に際して
境内より彌生式土器數個を發掘した。
この地が古くより開けて居り、板碑も神社と何等か關係あるべきを思ふ時、本社が相應の古社であることは察するに難くない。

文明九年四月、太田道灌、石神井、練馬兩城を攻略するに當り、本社附近一帶の高丘に布陣し、
戰勝を祈願し、社頭植栽したと傳へられる道灌杉は、爾來神木として繁茂したが、後、枝葉枯凋して
今は巨幹のみ遺って居る。

明治七年三月二日、社格を村社に定められ、同四十年五月四日神饌幣帛料供進神社に列し、翌四十一年二月二十六日會計規則適用を指定された。
~以下略~

 


■由緒

沼袋氷川神社_由緒

由緒書き

 

 

 

 

 

 

 

由緒書きには下記のように書かれています

一 神社名 氷川神社
一 御祭神 須佐之男命
一 東京都中野区沼袋一丁目三十一番地
当社は今より凡そ六百余年前人皇九十七代後村上天皇の正平年間 後光厳院の貞治元年
武蔵國一の宮なる大宮鎮座氷川神社のご分霊を戴きて沼袋 野方一円の鎮守として奉祀せるに始まる

文明九年四月太田道灌 豊島一族と江古田原沼袋の地で合戦の際当社一帯の高丘は
太田道灌の本陣にして戦勝を祈願し社頭に杉一株を献植す
後年道灌杉と稱せられ老杉天を圧してありしも昭和十七年惜しくも枯損せり
正保年間代官野村彦太夫社殿を修築す文久四年石鳥居を建て
明治十三年社殿を改築し 大正十一年拝殿を改修す
大正十五年社務所を新築 昭和三十七年手水舎を新築
昭和四十二年建國記念日制定記念として裏参道に石大鳥居を建立
昭和四十三年 明治百年記念として玉垣 社号標奉納せられ
神域漸く整いたり
昭和四十三年建立


■表参道一の鳥居

出典:中野区の文化財No.23_中野区の石造物(神社)

沼袋氷川神社_大鳥居1

表参道の大鳥居

・年銘:昭和十五年(1940)
・形式:神明鳥居
・材質:花崗岩

 

 

 

 

 

沼袋氷川神社_大鳥居_裏

大鳥居 裏

(右柱裏面)氏子中と書かれています

 

 

 

 

 

 

沼袋氷川神社_大鳥居_裏2

大鳥居 裏

(左柱裏面)紀元二千六百年記念と書かれています

 


沼袋氷川神社_社号標

社号標

 

 

 

 

 

 

 

沼袋氷川神社_社号標_裏

社号標 裏

明治維新百年記念 昭和四十三年九月 と書かれています


■表参道二の鳥居

出典:中野区の文化財No.23_中野区の石造物(神社)

沼袋氷川神社_表参道の二の鳥居

表参道の二の鳥居

・年銘:文久4年正月(1864)
・形式:明神鳥居
・材質:安山岩


■狛犬

出典:中野区の文化財No.23_中野区の石造物(神社)

沼袋氷川神社_狛犬

狛犬

・年銘:文久4年正月(1864)
・材質:安山岩

 

 

 

 

 

沼袋氷川神社_狛犬

狛犬

 

 

 

 

 

 

 

安産祈願の子育て狛犬

安産祈願 子育て狛犬の立札

 

 

 

 

 

 

 

なお、こちらの狛犬は子供を抱いており、この狛犬を撫でると安産で
子育ても順調にできるなどのご利益があるとされています。

立て札には下記のように書かれています。

古くより<<子育て狛犬>>として親しまれており、3回なでると
お産が軽くなると言い伝えられ、戌の日には、安産をご祈願する参拝者が多く訪れます。

江戸時代の名工・平田栄太郎、平田栄次郎(牛込原町)により、
文久4年(1864年)に作られました。


■燈籠

出典:中野区の文化財No.23_中野区の石造物(神社)

沼袋氷川神社_燈籠

燈籠

・年銘:享保18年正月(1733)
・形式:四角型円柱
・材質:安山岩
※造立年銘が相違する

 

 

 

 

沼袋氷川神社_燈籠

燈籠

・年銘:享保5年正月(1720)
・形式:四角型円柱
・材質:安山岩
※造立年銘が相違する

 


■燈籠

出典:中野区の文化財No.23_中野区の石造物(神社)

沼袋氷川神社_燈籠

燈籠

・年銘:明治15年8月(1882)
・形式:四角型
・材質:安山岩

 

 

 

 

 

沼袋氷川神社_燈籠

燈籠

 

 


■燈籠

出典:中野区の文化財No.23_中野区の石造物(神社)

沼袋氷川神社_燈籠

燈籠

・年銘:明治15年9月(1882)
・形式:四角型
・材質:安山岩

 

 

 

 

 

沼袋氷川神社_燈籠

燈籠

 


■手水鉢

出典:中野区の文化財No.23_中野区の石造物(神社)

沼袋氷川神社_手水鉢

手水鉢

・年銘:安政7年三月(1860)
・材質:凝灰岩

 


■力石

沼袋氷川神社_力石

沼袋氷川神社の力石

 

 

 

 

 

 

 

沼袋氷川神社_力石の立札

力石の立札

 

 

 

 

 

 

 

立て札には下記のように書かれています

力石(ちからいし)
力石は、昔、若者たちが力くらべに使ったものです。
現代とは違い、娯楽が少なかった時代には、祭りの日、
若者たちが大きな石を持ち上げて、その力を競い合い、
持ち上げた石に重量や姓名を刻んで奉納しました。

刻まれている碑文から二拾五貫目(約九三キログラム)~
四拾八貫目余(約一八〇キログラム)までの石を持ち上げ、
奉納したことがわかります。

力比べの行事は、娯楽の面だけではなく、力石の多くが
神社の境内にあることからも、本来は神事儀礼(しんじぎれい)であり、
また、重い石を持ち上げることにより一人前として社会に認められた、
当時の通過儀礼のひとつでもありました。

平成五年三月
中野区教育委員会

 


道灌杉

■道灌杉

 

 

 

 

 

 

沼袋氷川神社_道灌杉_立て札

道灌杉の立て札

 

 

 

 

 

 

 

立て札には下記のように書かれています。

道灌杉(どうかんすぎ)
当神社には、太田道灌(おおたどうかん)が植えたといわれる道灌杉がありました。
惜しくもしょうすぁ十九年(一九四四)頃枯れてしまいましたが、
当時の写真からは、高さが三十メートルに達し、樹齢数百年にもなると思われるご神木の姿がしのばれます。
文明九年(一四七七)四月、対立関係にあった関東管領領方の武将太田道灌と関東公家方方の豊嶋泰経(としまやすつね)は、
江古田と沼袋の地で戦闘を交えました(江古田原・沼袋合戦)。
その際、道灌によって戦勝を祈願して植えられたのが、この道灌杉であると伝えられています。
道灌はこの合戦に勝利し、豊嶋氏にかわって武蔵のの支配を確立しました。

平成二十八年八月
中野区教育委員会

 


沼袋氷川神社_天王社

天王社

■天王社(てんのうしゃ)
水の神 田の神 病気平癒の神
・八雲神社:須佐之男命(すさのおのみこと)
・諏訪神社:健御名方命(たけみなかたのみこと)
・胡録神社:面足命(おもだるのみこと)、惶根命(かしこねのみこと)


沼袋氷川神社_稲荷神社

稲荷神社

■稲荷神社
五穀・食物の守り神
商売繁昌・幸福の神
・宇迦御魂命(うかのみたまのみこと)

 


沼袋氷川神社_御嶽神社

御嶽神社

■御嶽神社
火災・盗難除けの神
・日本武命(やまとたけるのみこと)
・櫛真知命(くしまちのみこと)
・大己貴命(おおなむちのみこと)
・少彦名命(すくなひこなのみこと)

 


■三本願い松

沼袋氷川神社_三本願い松_立て札

三本願い松の立て札

 

 

 

 

 

 

 

立て札には下記のように書かれています

三本願い松(さんぼんねがいまつ)
古来より「悪(あ)しきことはスギ去れ、願い叶(かな)うをマツ」と
杉の木に願いを掛けて、不運・災難から逃れ松の木に幸福(しあわせ)を願うと、
必ず叶(かな)うと信じられて来ました。
豊かな森がいつも身近にあった我々日本人には自然の恩恵や営み、
特に木に宿る魂に対する謙虚な姿勢がありました。
「三本願い松」に思いを託し、大神さまのお陰を戴き健康で豊かな日々を
お過ごしくださいますよう祈念申し上げます。


■中野七福神

沼袋氷川神社_中野七福神

中野七福神

平成21年8月、天皇陛下御即位20年並びに天皇皇后両陛下御成婚50年を記念して、
中野沼袋氷川神社境内に奉齋されたとのことです。
詳細は公式サイトに記載があります。

■沼袋氷川神社 公式サイト
http://hikawa-n.or.jp/sfj.html

 


■手水舎

沼袋氷川神社_手水舎

手水舎

 


■神楽殿

沼袋氷川神社_神楽殿

神楽殿

 


■裏参道の大鳥居

沼袋氷川神社_大鳥居

大鳥居

 

 


■中野沼袋氷川神社